質屋の使い方 ~質入れできる?できない?金利や利用の流れは?

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「質屋ではどんなものを質入れできるんだろう?」
「利用の流れが分からない….」
「利息ってどうなっているのかな?」

など、質屋の使い方がよく分からないために、質屋を敬遠している人も多いのではないでしょうか。しかし、使い方さえ分かれば、審査もなく返済も自由な質屋は、非常に便利です。

そこでこの記事では、質屋で質入れできるもの、質入れまでの流れ、金利や利息について、徹底的に解説します。


 

質入れできるもの、できないもの


「どうしてもすぐにお金が必要」「お金はほしいけど消費者金融は利用できない」など、何らかの事情があってすぐに融資を受けたい方が、質屋を利用するケースが比較的多いです。質屋では本人に対する審査は行われず、持ち込んだ物品に対して査定が行われますので、ブラックリストに登録されている人でも、質屋を利用できます。

しかし、持ち込んだ物品が全て質入れできるかというと、そうではありません。そこでここでは、質屋に持ち込んで質入れできるもの、質入れできないものを紹介しましょう。
 

質入れできるものは基本的に「価値のあるもの」

質入れできるものは、基本的に「価値のあるもの」だけです。価値のないポケットティッシュやボールペンなどを持ち込んで、お金を貸してくれる質屋もごくまれにありますが、それは「偽装質屋」というヤミ金です。偽装質屋は質屋を装った悪徳金融業者で、普通の質屋では認められている「質流れ」を、偽装質屋では認めてくれません。それだけでなく、取り立ても行なわれますので、絶対に利用しないでください。
 

高級ブランドのバッグは定番


質入れできる物品の中で代表的なものといえば、「高級ブランドのバッグ」です。女性ものの高級ブランドのバッグは、高額で質入れできる可能性が高くなります。男性からのもらい物でバックを持て余している女性などが、質入れするケースが目立っていますね。

数ある高級ブランドのバッグの中でも、派手な色遣いやデザインのものではなく、「ルイ・ヴィトンのモノグラム」「ルイ・ヴィトンのダミエ」「エルメスのバーキン」など、定番ラインナップが、どこの質屋でも不動の人気を誇ります。定番でなくても、限定物の高級ブランドのバッグも、比較的高額での質入れが可能です。

人気の定番商品
  • ルイ・ヴィトンのモノグラム
  • ルイ・ヴィトンのダミエ
  • エルメスのバーキン

 

財布やキーケースも高級ブランドを重視

バッグと同様に、財布やキーケースもブランドが重視されます。財布でもルイ・ヴィトンの人気が高く、モノグラムやダミエなどのラインナップが人気です。ただし、財布やキーケースは、TPOによって使い分けることがないため、TPOによってハンドバッグやショルダーバッグなどと使い分けるバッグと比べると、高額質入れの可能性が低いです。
 

腕時計の最低条件は?

普段使いするもので、高級な物品といえば、腕時計を忘れてはいけません。フランク・ミュラーやロレックス、オメガやウブロなどの専門メーカーはもちろん、ブルガリやカルティエなど、ジュエリーメーカーが製造している腕時計も、高額査定が期待できます。

腕時計の場合、「動くこと」が最低条件となります。電池切れで動かないのはOKですが、故障で動かないのはNGです。また、バッグと同様に、普段使いをしていると傷や汚れが付きやすいアイテムですが、特に腕時計のキズは目立ちやすいので注意しましょう。
 

貴金属はブランドよりも…


比較的、高額の質入れが可能な物品、もう一つは貴金属です。指輪やネックレス、ピアスやイヤリングなど、多くの貴金属が質入れの対象となっています。恋人から貴金属のジュエリーをもらったものの、不要なため質入れや買取に出す女性が比較的多いです。

高級ブランドのバッグの場合はブランドがものをいいますが、貴金属は高級ブランドバッグほどブランドが影響しません。もちろん、ティファニーなどのブランドジュエリーでしたら割増査定があるでしょうが、査定の基本はあくまでも貴金属本来の価値です。

有名ブランドのルビーよりは、無名ブランドのダイヤモンドの方が高額質入れはできるでしょうし、有名ブランドの14金よりは、無名ブランドの24金の方が高額質入れを期待できます。

また、バッグは傷や汚れが付いていると大きなマイナスとなりますが、貴金属は研磨し直せば傷や汚れが消えますので、傷や汚れはほとんど査定に影響しません。価値の高い貴金属としては、金、銀、プラチナ、ダイヤモンド、パールなどが挙げられます。
 

記念硬貨の価値はコレが影響する

記念金貨や外国の金貨も、高額の質入れの可能性があります。日本国内では、天皇陛下の即位や皇太子のご成婚、天皇陛下の在位やオリンピック・ワールドカップなどの世界イベントの開催を記念して、記念金貨が発行されています。外国でも、金貨や銀貨、プラチナコインの発行が行なわれております。

記念硬貨の価値を決めるのは、額面はもちろん、純度や重さが大きく影響してきます。記念硬貨は、額面が大きくなるほど重さも増しますので、ほぼ額面に比例して査定額も高くなっていきます。

ただし、記念硬貨は希少価値も無視できません。発行枚数が少ない記念硬貨などは、本来の価値以上の査定が期待できるでしょう。また、むき出しの状態の記念硬貨よりも、専用ケースに入れた状態の方が高額質入れを期待できます。
 

金券類は一部商品のみ

金券類をたくさん持っている人もいるかもしれませんが、質入れ可能な金券類は、そのうちごく一部です。汎用性が高く、信頼性も高い「全国百貨店共通商品券」「大手信販系ギフトカード」(VISA、JCB、UCなど)は、質入れできる可能性が高いです。
 

電気製品や骨とう品は一部専門店で

カメラやパソコンなどの電気製品、美術品や骨とう品などは、質入れを行なっていない業者も少なくありません。これらの査定には、より専門的な鑑定眼が必要だからです。こういった物品を質入れする際には、特定商品に強い専門の質屋がありますので、そういったところに持ち込むのがいいでしょう。
 

質入れできないものは?


ここまでは質入れできるものを紹介しましたが、逆に質入れできないものはどんなものがあるでしょうか?
 

偽物・コピー品などはまず質入れ不可

偽物やコピー品については、どこの質屋でもまず質入れを断られます。ただしこれは、あくまでも質屋が鑑定した結果であり、偽物と断定しただけでなく、本物か偽物か分からない場合も、質入れを断りますので、「100%偽物」の烙印を押されたわけではありません。

購入時に偽物やコピー品と知らずに質入れを希望しても、質入れを希望した人は罪に問われないので安心してください。万が一コピー品で質入れできたとしても、それは質屋の過失なので融資金の返還に応じる必要はありません。

注意
ただし、偽物やコピー品と知って質入れをして融資金を詐取すると、商標法違反や詐欺罪で逮捕される可能性もあります。

 

ノーブランドの商品は値段が付けにくい

いくら高額で購入した商品であっても、いわゆる「ノーブランド」の商品はなかなか質入れできません。ルイ・ヴィトンやシャネルなどの高級ブランドであれば、信頼の価値がありますので、それに伴った査定価格を付けてくれますが、ノーブランドには信頼の価値がありませんので、なかなか値段が付けにくいのです。
 

鑑定書や鑑別書のない貴金属は値段が付かないかも

貴金属は、基本的にそのものの価値を重視しています。しかし、ブランドジュエリーなどは、メーカーの鑑定書や鑑別書がないと、査定不可となる可能性が高くなるのです。

ブランドジュエリーは、そのものの価値にブランドの価値を上乗せして査定を行ないますが、鑑定書や鑑別書がないと、ブランドの価値が保証できません。鑑定書や鑑別書には、貴金属の純度なども記載されていますので、あるに越したことはないでしょう。
 

電子化された権利、暴落した権利などは質屋で扱わない

「電子化された権利」「暴落した権利」といっても、ピンとこない人もいるでしょう。前者の例は「電子化された株券」、後者の例は「固定電話の加入権」です。

  • 電子化された権利 ⇒ 例:電子化された株券
  • 暴落した権利 ⇒ 例:固定電話の加入権

かつては、質屋でも株券を担保に融資を受けることができました。株券が電子化された現在でも、証券会社や信託銀行などでは、株券を担保に融資を受けることができますが、電子化された上場株式は質屋では取り扱えません。

また、高額で取引されることも珍しくなかった固定電話の加入権も、携帯電話の急速な普及に伴って、急激にその価値を失い、今やほぼ価値のないものとなりました。よって、質屋も価値のないものを担保にお金を貸すことはしないのです。
 

動植物、食品は質入れできない

高額で購入した犬猫などのペットや、高級な松の盆栽、ヴィンテージ物の高級ワインなどを質草にしてお金を借りようとする人もいるかもしれませんが、それはできません。

昔は、「女房を質に入れて旦那が遊びほうける」なんてこともありましたが、もちろん現在ではそんなことは禁止されています。

現在の質屋は、質屋営業法により質草の適切な管理が義務付けられていますが、それは動植物や食品を対象にしていません。死んでしまったり枯れてしまったりするリスクがあるものを質草にすることは、質屋さんでもしないのです。
 

状態の悪いものは査定不可の場合も

完全な状態で価値を見出す物品の場合、状態が悪いものは査定してくれない場合もあります。日焼け、汚れ、傷、擦り切れ、使い込んだ跡がある高級ブランドのバッグなどは、いくら人気のラインナップでも、査定してもらえない可能性が高いです。また、動かない腕時計なども査定してくれません。

ただし、片方しかないダイヤのイヤリング、宝石部分がなくなりプラチナの台座だけとなった指輪などは、完全な状態でなくてもそのものの価値があるため、この限りではありません。
 

利用の流れ


質入れできそうなものを持っているのであれば、質屋へ行きましょう。利用の流れは、以下の通りです。

質屋利用の流れ
  1. 物品の金額を査定してもらう
  2. 書類記入・本人確認書類の提示
  3. 現金と質札が渡される
  4. 支払い
  5. 出質

 

【1】物品の金額を査定してもらう

質入れだけでなく、買取を行なっている質屋もあり、買取と質入れでは買取の方が査定金額は高くなる可能性が高いです。

お金を借りたい人は、物品を持って来店したら「質入れしたいので査定をお願いします」と、お店の人に言いましょう。専門の査定スタッフが物品を預かって、その場で査定をしてくれます。査定に納得がいけば交渉成立ですし、納得いかなければ粘ったり商品を持ち帰ったりしても構いません。
 

【2】書類記入・本人確認書類の提示

書類に氏名や住所などを記入します。また、住所が記載されている公的な本人確認書類の提示も求められます。
 

【3】現金と質札が渡される

査定額の現金がその場で渡されます。また、質入れ品の詳細や、借入や返済の詳細を記載した「質札」も渡されます。支払いや品物の受取に必要となりますので、紛失しないでください。
 

【4】支払い

預けた質草を返してほしい場合には、元金と利息を返済していきます。基本的には来店支払いですが、銀行振込に対応した質屋もあります。消費者金融のカードローンとは異なり、毎月の最低返済額は決まっておりません。
 

【5】出質

元金と利息を全て支払うと、預けた質草を返却(出質)してもらえます。出質の際には、元金と利息を支払う以外に、本人確認書類が必要となります。期限内に支払えないと、その質草は質屋のものとなります。これを「質流れ」と呼びます。
 

査定にかかる時間


すぐにお金を借りたい人にとって、質草の査定にかかる時間は重要なポイントです。査定は質屋の専門スタッフが行ない、基本的には数分で完了します。
 

額面が事前に分かるものはすぐに査定完了

全国百貨店共通商品券や大手信販系ギフトカード、記念硬貨など、あらかじめ額面が決まっているものは、額面に対して何パーセントというように、査定価格が決まっていますので、ものの数十秒で査定が完了することもあります。
 

レア物・貴金属は時間がかかる傾向

一方で、鑑定書などが付いていない貴金属は、純度などを調べるのに時間がかかりますので、もう少し時間がかかるかもしれません。また、レアものについてはその真贋はもちろん、価値を算定するのに時間がかかります。
 

必要書類は


質屋を利用する際に、必要書類がいるのは、査定の時と出質の時です。いずれも、本人確認書類の提示が求められます。コピーではなく原本を持って行きましょう。
 

基本的には顔写真付きの書類

本人確認書類としてベストなのは、顔写真付きの公的な書類です。例えば、運転免許証、顔写真付き住民基本台帳カードなどです。個人番号カード(マイナンバーカード)も利用できなくはありませんが、12桁の個人番号が流出しないようにしましょう。

パスポートは顔写真付きですが、現住所を自分で記入する方式のため、認めていない質屋もあります。日本人だけでなく外国人も質屋を利用可能ですが、その場合は、顔写真付きの在留カードや外国人登録証明書などが必要です。

顔写真は入っていないものの、健康保険証や住民票の写し(コピーではない)も、多くの質屋で本人確認書類として認められています。
 

来店が必要?

消費者金融のカードローンは、インターネットや自動契約機を利用すれば、申し込み、審査、契約、借入まで来店の必要がありません。一方の質屋は、契約と出質の際には必ず本人が来店しなければなりません。
 

査定はネットでも可能

しかし、査定はネットからでも可能です。例えば、「大黒屋」で質入れの際の査定を簡単に行なってもらうには、来店以外にも申込フォームから依頼する方法があります。申込フォームには、以下の項目を入力します。

申込フォームの入力項目
  • 氏名
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 品名、型番、状態、付属品、保証書、鑑定書など
  • 希望金額
  • 商品の写真
  • その他連絡事項(質問・相談など)

とはいえ、申し込みフォームからよりも来店した方がより正確な査定ができるので、来店をおすすめします。

支払いは振込でも可能な業者がある

元金や利息を支払う際も、基本的には来店をして支払います。しかし、質屋が遠方の人や質屋の営業時間内に来店できない人のため、銀行振込での支払いを承っている質屋もあります。この際、振込手数料は利用者負担となります。

また、質札を持っていれば、本人以外の人が来店して支払いをすることも可能です。
 

ネットの質屋はないの?


質屋が遠方の人や質屋の営業時間内に来店できない人は、「ネットで質入れができればいいのに」とおもうでしょう。しかし現在のところ、インターネット質屋は存在しません。
 

質屋営業法第12条で制限がかかっている

インターネット質屋が存在しない理由、それは「質屋営業法第12条」にあります。この条文では質屋営業の制限について、以下のように定めています。

“質屋は、その営業所又は質置主の住所若しくは居所以外の場所において物品を質に取ってはならない。”

この条文がある理由は、店頭以外の場所で質入れをすると、質草が点々とする可能性が高いからです。よって、インターネットでの質入れは認められていないのです。
 

ネット取引を希望の方はコノ方法

どうしても質屋に行けない人は、買取を希望するといいでしょう。リサイクルショップや買取専門店だけでなく、質屋でも買取を行なっています。質屋の買取に関しては、質屋営業法ではなく「古物営業法」の管轄となります。古物営業法第5条第6項などにより、インターネットでの買取が許可されています。
 

質屋アプリ「CASH」は今、買取業者に

2017年、注目のアプリに「CASH」というアプリがありました。スマホのカメラで商品撮影して査定を依頼すると、一瞬で査定金額が出てきて、これまた一瞬でお金が振り込まれるというものです。そのビジネスモデルから「インターネット質屋」「質屋アプリ」とも呼ばれました。

ただし、実際のところは質屋ではなく、買取業者の方がより正確です。かつては15%のキャンセル料が存在し、これを支払うことで品物を取り戻すことができました。これが「質屋」と呼ばれる要因でしたが、改定により返金制度がなくなり、完全な買取業者となりました。
 

金利・利息はどれくらい?


質屋に預けた質草を取り戻したい場合には、元金に加えて利息を支払う必要があります。質草が必要なければ、元金も質草も支払う必要はありませんが、質草は質流れとなります。
 

質屋営業法では「年109.5%」が上限金利

質屋が設定できる金利を定めたものが、質屋営業法です。それによれば、刑事罰が科されない上限金利は年109.5%となります。消費者金融の上限金利が年20%なのと比べると、随分高金利ですね。

しかしこれには理由があり、質屋は質草の管理にコストがかかります。そのコストを考慮して、質屋にのみ高金利での融資を認めているのです。
 

実際には年50%~60%程度が相場

ただし、実際に質屋で年109.5%の高金利融資を行なっているところは、まずありません。質屋業界も競争が激しく、顧客獲得のために金利の引き下げを行なっており、その結果、年50%~60%程度が質屋の相場となっています。例えば「大黒屋質東京駅前店」では、以下のような金利体系を取っています。

融資金額 金利(月利)
1000万円以上 月0.95%
100万円以上 月1.25%
30万円以上 月1.5%
10万円以上 月5%
1万円以上 月6%
1万円未満 月8%

最も利用頻度の高い10万円程度では、年60%程度の金利となります。さらに、大黒屋では新規利用者に限って1か月間の利息がかからないので、よりお得です。
 

日割り計算をしない質屋もある

消費者金融は実質年率(手数料込の年間の金利)で表示していることが多いですが、実際に発生する利息の計算は日割り計算をしています。しかし、質屋の利息は日割り計算をするところとしないところがあり、後者の場合は、質入れ翌日に出質したいとしても、1日分ではなく1か月分の利息を支払わないといけません。
 

利息だけを支払うことで質流れを防げる

元金と利息を支払えなければ、期限を過ぎて1週間以内には質流れをしてしまうと考えましょう。「元金と利息、耳を揃えて支払えないが、質流れだけは避けたい」という人もいるでしょう。そんな人は、利息だけ支払うのがおすすめです。

質草の保管期限は原則として3か月間ですので、1月10日に質入れした質草の保管期限は「4月10日」となります。4月10日までに1か月分の利息だけでも支払えば、保管期限が1か月間延長され、「5月10日」となります。利息だけを支払って期間を延長することを「利上げ」と呼びます。さらに、5月10日までに2か月分の利上げをすれば、保管期限は2か月間延長され、「7月10日」が保管期限です。
 

まとめ

質屋は難しくて面倒と考えている人が多いようですが、実際の手続きは買取業者と大差ありません。異なる点があるとすれば、質草を取り戻す場合のみです。ただし、あまり利上げをし過ぎると、利息だけを多く支払うことになってしまうので、完済のめどが立たないようであれば、質流れも検討しましょう。